先生がいてくれるなら①【完】


「おはようございますっ」


嬉しさが抑えきれずに声に反映されてしまい、それを聞いた先生が苦笑している。



「朝から元気だな」

「はいまぁ、おかげさまで」


えへへ、と笑いながら私は掃除用具を片付け終えた。


「課題は全部終わってるんだろうなー?」

「え、どうだったかな」

「は? おま……」


呆れる先生を見て、私は思わず吹き出した。


「冗談ですよ、全部終わってます。掃除が終わったので手洗って来ますね」


ヒラヒラと手を振りながら先生の前を通り過ぎると、深いため息が私の背後で聞こえて来る。


私は振り返って、ペロリと舌を出して笑った。


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