先生がいてくれるなら①【完】
──翌日。
数学の授業は、毎日ある。
だからって、1限目から数学じゃなくても良くない?
と言うのも、昨日の藤野先生の事が頭から離れないし、何より頭が整理できていないから先生の授業の説明が全く頭に入らない。
先生はいつも通り涼しい顔で授業してるけど……正直、色んなことが気になりすぎて………。
昨日の先生は、本当に今私の前にいる先生?
見た目も、雰囲気も、話し方も、何もかもが違いすぎる。
そんな事を考えていたら、隣の席の悠斗が、シャーペンでツンツンと突いて来た。
うるさいなぁ、ちょっと大人しくしててよね。
「……立花」
はぁ、うるさい……。
「……立花っ」
──ん?
「立花っっっ!」