先生がいてくれるなら①【完】
* * * * *

授業中ボーッとして先生に叱られた私は、放課後、項垂れながら数学準備室を訪れた。


「お前さぁ。授業ぐらいちゃんと聞けよ~」

「うっ……、すみません……」


て言うか、授業どころじゃないような状況にしたのは先生ですっ、と言いたいところだったけど、先生の冷やかな態度が私の口をつぐませた。


「だいたい、誰のために毎回何度も丁寧に説明してやってると思ってる?」

「……えっ、わ、私のためですか!?」


ドクン、と心臓が跳ねる。


私だけのためだったって事?


< 51 / 455 >

この作品をシェア

pagetop