先生がいてくれるなら①【完】
私の心の声は、どうやら顔に出ていたらしい。
「言っとくけど、断る権利は無いから」
「えーっ!」
「あたり前だろ。俺の授業をちゃんと聞いてなかったお前が悪い」
うそでしょ……。
「早速今日から仕事してもらうから。まずは部室の掃除な。まぁ、掃除って言っても部室が狭いからたいしてする事ないけど」
「……はい………」
私はもう抵抗する気力が失せ、力なく頷いた。
「お。素直じゃん」
ニヤリと笑う先生。
いえ、素直って言うよりですね、このまま抵抗し続けてうっかり数学の難しい課題を山ほど出されたりとかするよりは、掃除の方がマシかなって。
ただそれだけです、はい。