先生がいてくれるなら①【完】
「立花。顔、近い」
「だって……先生、綺麗すぎ……」
「嬉しくない」
「えっ、待って、ゆらゆらしてる……」
先生の瞳がゆらゆらと揺らめいている。
もっと近くで、もっと見たい──。
私が更に身を乗り出すと、先生は両手で私の肩をグッと押さえて私を押し戻し、低い声で言った。
「……お前、もうホントに帰ってくれる?」
あーあ、もうちょっと見たかったな。
今日の収穫。
──先生の瞳は、とても綺麗なブルーグレー。