先生がいてくれるなら①【完】

* * * * *


私は今朝指示された通り、数研の部室に顔を出した。



部室には部員が全員集まっていて、ちょっと居心地が悪い……。


だって──真面目そうな男子ばっかりで。


まぁ想定内、なんだけどさ。




「マネージャーをスカウトしたって先生に聞いていたけど、本当だったんだね」



と、驚きを隠さないのは、部長で三年生の葉澤(はざわ)先輩。


「えっと……2年5組の立花明莉です、よろしくお願いします」


私はそう言ってみんなに向かって頭を下げた。



数研でマネージャーって、何するんだ、って話だよね。


先輩も他の部員も、ぽかーんとした顔で私を見ていた。



こう言う時に限って先生は職員会議とか。


間が悪すぎる!


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