先生がいてくれるなら①【完】
「今は帰宅部だし、登校が早いから朝掃除して時間潰したり出来るし、苦手な数学もちょっとぐらいは好きになったりするかな~?……みたいな?」
我ながら、アホっぽい言い訳と口調になってしまった。
この返答は部員の皆さんも呆れ返ることに違いない……。
「そうなんだ。じゃあ、僕たちも立花さんの力になれるよう、色々教えるね」
葉澤部長がニッコリと笑ってそう言った。
部員全員で、うんうん、と頷いてくれる。
なんて純粋で優しい心の持ち主ばかりなんだ!
顧問とは大違い!!
「えっ、あ、ありがとう、ございます……」
私は戸惑いながらみんなにお礼を言った。
──なんだろう、この背徳感。
数学オタク男子は純粋すぎて、私の方がツライです──。