先生がいてくれるなら①【完】
「──おい、なんで立花が、光貴と一緒にいるんだ?」
自分でも驚くほど低い声が口から出る。
光貴が呼び出した理由は、コレか──。
立花が俺を見て驚いていると言う事は、光貴が勝手に呼び出したのだと分かった。
光貴は涼しい顔で笑い「思ったよりも遅い」とかダメ出しまでして来て、俺は本気でムカついた。
──どうなってるんだよ、コレ。
光貴に立花の話をした覚えは無い。
と言う事は、俺がこの前学校で話した事を覚えていて、立花から光貴に声を掛けた事になる。
立花が余計な所で不要な記憶力を発揮した──って事か。
数学の公式は覚えないくせに。