異能者達の宴~夢の競演特別編~
第二章
黛
その女の子は、四門メグというらしい。
小山田君や、私達をこの洋館に連れてきた彼…宮川修内太君と同じ、御影第一高校の生徒。
そして…。
「魔女なんて…まだ信じられないわ…」
「信じてくれなくても結構」
長く美しい黒髪を無造作に片手で払いのけて、メグさんはフフンと笑った。
彼女の目の前には、ソファに寝かされたななみちゃんの姿。
規則的な寝息は、彼女の容態が安定した証でもある。
…ここに運び込まれてきたななみちゃんを、メグさんは迷惑そうに見つめた後、右手をななみちゃんの傷口にかざした。
それだけ。
ただそれだけで、ななみちゃんのお腹の重傷は完全に塞がってしまったのだ。
「修内太、勘弁してよね。私は治癒魔術あんまり得意じゃないんだから」
本当に迷惑そうに、メグさんがぼやく。
「そんな言い方するなよ、哲平とはメグだってクラスメイトだったろ?」
苦笑いしながら修内太君が返した。
…メグさんはヨーロッパに数百年前から続く由緒正しい魔女の家系『デッドゲイト家』の後継者であり、修内太君はそんな彼女から、無数の魔術を蓄積した瞳、『呪眼』を移植された呪眼使いなのだそうだ。
説明を受け、目の前で魔術を見せ付けられてもまだ信じられない。
私達覚醒者の超能力の方が、まだ現実的に見えた。
小山田君や、私達をこの洋館に連れてきた彼…宮川修内太君と同じ、御影第一高校の生徒。
そして…。
「魔女なんて…まだ信じられないわ…」
「信じてくれなくても結構」
長く美しい黒髪を無造作に片手で払いのけて、メグさんはフフンと笑った。
彼女の目の前には、ソファに寝かされたななみちゃんの姿。
規則的な寝息は、彼女の容態が安定した証でもある。
…ここに運び込まれてきたななみちゃんを、メグさんは迷惑そうに見つめた後、右手をななみちゃんの傷口にかざした。
それだけ。
ただそれだけで、ななみちゃんのお腹の重傷は完全に塞がってしまったのだ。
「修内太、勘弁してよね。私は治癒魔術あんまり得意じゃないんだから」
本当に迷惑そうに、メグさんがぼやく。
「そんな言い方するなよ、哲平とはメグだってクラスメイトだったろ?」
苦笑いしながら修内太君が返した。
…メグさんはヨーロッパに数百年前から続く由緒正しい魔女の家系『デッドゲイト家』の後継者であり、修内太君はそんな彼女から、無数の魔術を蓄積した瞳、『呪眼』を移植された呪眼使いなのだそうだ。
説明を受け、目の前で魔術を見せ付けられてもまだ信じられない。
私達覚醒者の超能力の方が、まだ現実的に見えた。