異能者達の宴~夢の競演特別編~
ななみ
記憶しているのは、施設にいた時の事。
機関の施設では、『素体』と呼ばれる、覚醒者を人工的に作り出す為に集められた少年少女が大勢いて、私もその中の一人…『素体773号』だった。
…ある日、私達素体の中から、一人の少年が選ばれ、A級実験棟へと連れて行かれた。
A級実験棟。
AからFまである実験棟のうち、バイオハザード(生物災害)の起こる危険のある実験を行っている実験棟。
私達素体の中でも、最も恐れられている実験棟だった。
年に何人かはA級実験棟に連れて行かれて、誰一人として帰ってくる者はいなかった。
…その日から、A級実験棟の方から悲鳴やうめき声が聞こえ始めた。
最初は苦痛に泣き叫ぶ声。
だけど日を追うごとに、その声は悲鳴では…いえ、人間の声ですらなくなっていった。
聞こえてくる声も、最初は「助けて」という救いを求める言葉。
だけど最期には「殺して」という、死を求める言葉に変わっていった。
自ら死を懇願するほどの苦痛。
一体どれ程の過酷な実験が行われているのか。
私達には、想像すらつかなかった。
機関の施設では、『素体』と呼ばれる、覚醒者を人工的に作り出す為に集められた少年少女が大勢いて、私もその中の一人…『素体773号』だった。
…ある日、私達素体の中から、一人の少年が選ばれ、A級実験棟へと連れて行かれた。
A級実験棟。
AからFまである実験棟のうち、バイオハザード(生物災害)の起こる危険のある実験を行っている実験棟。
私達素体の中でも、最も恐れられている実験棟だった。
年に何人かはA級実験棟に連れて行かれて、誰一人として帰ってくる者はいなかった。
…その日から、A級実験棟の方から悲鳴やうめき声が聞こえ始めた。
最初は苦痛に泣き叫ぶ声。
だけど日を追うごとに、その声は悲鳴では…いえ、人間の声ですらなくなっていった。
聞こえてくる声も、最初は「助けて」という救いを求める言葉。
だけど最期には「殺して」という、死を求める言葉に変わっていった。
自ら死を懇願するほどの苦痛。
一体どれ程の過酷な実験が行われているのか。
私達には、想像すらつかなかった。