読了後の今、私の脈拍数は異常に速い。目に焼き付けられたlunaticの台詞の数々が狂いに満ちていた
テンポ良く進む物語で、次はどうなるのか気になって仕方がなかった。波乱の展開には目が離せない
人は「狂気さは美しい」と言うことがある。それは以前から聞いたことがあった。確かに本作品を読み終えて彼女の心の狂いに一種の神秘性を感じた。危ない存在だとわかっているからこそ魅力的に思えてしまう。まるで、私が本作品に一種の畏怖の念を抱いたのと同じように、そこには中毒性があるのだろう
人の心は美しく、そして脆い。それが壊れていく時、形も変わっていく。その歪みが、狂いが美だという幻想に陥れる。そんな風に感じ取れた
彼女は自分が満足できることを最後までしただけ。それは目的が異常なだけで、過程は普通の人々と何ら変わらない。何時でも簡単に私達は闇に飲み込まれる可能性を孕んでいる。まるで彼女は警鐘の象徴だった