久遠くんの溺愛が止まりません
席についてもまだそんな感じ。
しびれを切らしてとうとう言った。

「ねぇ、祐人くんはこういうデートあんまり好きじゃなかった?」


「え?」


「なんかそわそわしてるというか、心ここにあらずって感じだから楽しくないのかなって。」


「楽しいよ。俺わりとショッピングとか好きな方だし。」
意外な返答だった。


「それならどうして?」

どうしてこんな態度なの?


「えーと…ごめん。
雰囲気違うからどぎまぎして…ちょっと直視できなかったというか……」

いいよどんで一呼吸ついてから言う。

「こんな大人っぽい一面があるんだと思って驚いて…。すごく似合ってる。可愛いよ。」


「…ありがとう」


息を吸うように可愛いと言ってくれるいつもの祐人くんからしたら、考えられないスピードだ。


「それにしても急にどうしたの?」


「んー。たまにはこういうのもいいかなって。」

元カノの上城さんと会ったとき、祐人くんは『もっと大人っぽい子がタイプ』って言っててそれがずっと引っ掛かってた。
普段の私なら絶対しないけど今日は特別だ。
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