久遠くんの溺愛が止まりません
「裕人くんっ!」

ぎゅっと抱きついてキスをする。

「小春?!ここ外だよ。」

駅前でじろじろ見られている気がするけど、そんなことはどうでもいい。

「ふふふっ、大好き。」


「困ったな。可愛すぎだろ。」

そう言ってぎゅっと抱き締めてくれる。


「ねぇ、裕人くんからはちゅーしてくれないの?」


「ん?してほしいの?」

うつむいてこくりと頷くと、裕人くんは私の顎をくいっと持ち上げて口づけを交わす。
どんなに甘いスイーツにも敵わないほど糖度高めなキス。

「…あ、そろそろ電車来るよな。行こうか。」

裕人くんは抱きしめていた腕を放して、駅へ向かおうとする。

「待って。」

コートの裾をくいっと引っ張る。

「どうした?」


「あのね…まだ帰りたくない。」

勇気を振り絞って言った。

「どういう意味かわかってるよね。」


「…うん。」

どうやら今夜、大人の階段を登りそうです。
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