久遠くんの溺愛が止まりません
「ちょっと小春が困ってるでしょー。」

「久遠くんっ!」

「祐人!」

え?

あ、みんな同じサッカー部だから当然久遠くんとは知り合いなわけで。


「小春は俺のだからちょっかい出さないで。」

「ね?」


私の首に抱きつくような形になりながら、そのまま私のほうへ顔を向けるから
久遠くんのきれいなお顔が目の前で、ドキドキするなんてもんじゃない。


「…それに陽太は彼女いるだろ。市川に怒られるぞ。」
  

先ほど私に片岡と名乗っていた男子はぎくっとして
「このことは内密に。」と持ち掛けるも久遠くんは容赦ない。


スマホを取り出して
「あ、市川?陽太がまたナンパしてるから言い聞かせといてよ。そう。うん。あ!」
手を振ると派手な女の子が駆け寄ってきた。


「うちの陽太がお騒がせしました。」
頭を下げて男子を引きずっていった。




< 66 / 215 >

この作品をシェア

pagetop