俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…まあ、あなた達!…おばさますみません、ちょっと失礼します!控え室には他の者に案内させますので!」
そう言って麗華さんは、傍にいた従業員に一言かけてその子供たちの元へと向かった。
少女は麗華さんの腰に手を回してギュッと抱きついている。
「麗華さん麗華さん!とうとうオープンだね!おかあさんの考えたホテル!」
「麗華さん、すみません!…もう、落ち着きないんだから!」
二人は姉妹なんだろうか。落ち着きない妹を怒る姉?
しかし、麗華さんは微笑ましく笑っている。
「ふふっ。麻友さん、絵麻さん、よく来て下さいましたね?そうですよ。今日ですよ?あなた方のお母様が夢に描いたホテル、形になりました。…おばあさまは?」
すると、若い二人に遅れてフォーマルスーツ姿のおばさんが登場した。
「あらっ。麗華さん!いつもすみませんねー?」
「白戸さま、よくぞおいで下さいました!」
「本当にいつもありがとうございますね?いろいろ支援してもらってるのに、こんな素敵なパーティーにも呼んで貰っちゃって。この間は、絵麻の高校の入学金まで…」