俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「まあまあ。…残りはホテル内で麗華嬢の警護をしながら連中の登場を待つ。…いいね?」
「了解です!」
「…あと、みんなに注意しておきたいことがひとつ」
そしてもう一度、タブレット端末の画面をスクロールする。
「…このミッションには、ジョーカーが潜んでいる」
すると、若い青年、制服姿の男子高校生の写真が映し出された。
「これ…」
「橘伶士、16歳。橘社長の次男。そして…『夢殿』の継承者」
「『夢殿』っ…?!」
「橘社長の一族が『夢殿』の直系だという話は、本当だったんですネ」
「それ、本当?」
哲太の問いに剣軌は深く頷いた。
「…まさか、あのヤローに指摘されて気付くなんて、不覚だよ」
「夢殿本人は、自分が何者かわかってんの?」
「いや、その真相未だトップシークレット。でも、彼はヤツとは何度か面識はある。だから次ヤツに接触される前に伝えるべきではあるんだけど」
「………」
その後ろでタブレット端末に映し出された写真を見つめる。
複雑な思いを胸の奥に抱えながら。
(伶士…)