俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
(………)
いや、まさかな。
ここで、何の依頼があるっていうんだ。
新築ホテルのパーティーだぞ?
陰陽師の依頼だなんて考えられない。程遠いものだ。
それに、ヤツを誘ったら『仕事』と断られた。
仕事、って。
仕事…。
(………)
…はっ!
んな、バカな…!
まさかの憶測にどうしても結び付いてしまう。
い、いや。仕事だからって、いつももさ男と一緒にいるわけじゃないだろう。
さっきのも、他人の空似かもしれない。
あんなもっさりした男、よくいるよな?…いる?
そんなことをぐるぐると考えていると、乗り込んでいたエレベーターがポーンと音を鳴らしてゆっくり開いた。
母さんたち含め、中の乗客が次々とエレベーターを降りて外へ出て行く。
人の波の流れに乗って、俺も降りた。
パーティー会場のある地下一階に降り立つと、そこはもうすでにたくさんの人で混雑していた。
会場となっている地下ホールは開いているんだけど、パーティー開始前だからか、出入り口付近で立ち話している人も多い。
「ちょっと、伶士!」