俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

その甲高い声に、反射で体がビクッと震わせてしまう。

特徴のあるこの声と口振り。

やばっ…!


そう瞬時に判断してしまい、聞こえないフリをして母さんに続いて会場内に足を進める。

すると「…伶士ちょっとぉぉっ!」と、更に甲高い声をあげられた。

…いいぃっ!相変わらずデカく恐怖を植え付けさせられる声だ!

しかも、大声で俺の名前呼ぶな!周りがみんな見てるだろ!



そして、俺の前に姿を現した。

げっ…。



「舞絵…」

「また逃げるのですか、伶士!私を無視だなんていい度胸してますね?!」


逃げようとしたこと、バレてる…!

相変わらずの迫力と剣幕だ。

観念するしかない。



「に、逃げようとなんてしてないよ」

舞絵を紛糾させない、ただそれだけのためにおもいっきり嘘をつく。

しかしジロッと疑惑の視線を送られ、背筋をヒヤッとさせられた。

本当に迫力満点だな、この強烈な娘は。

怒りから話を逸らすため、「舞絵、今日は桜谷先生と一緒?」と、無理無理違う話題を振る。

すると、パパ好きな舞絵はコロッと乗ってくれた。
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