俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「そうか…舞絵、本当にすまない」
「伶士に詫びられることもありませんが?これは、私の学園の生徒の話ですし?…そんなことより、伶士!自分の心配をなさい!」
「…俺の心配?」
皆目見当がつかなくて、首を傾げる。
そんな俺の仕草を見て、舞絵がグッと顔をしかめて恐ろしい表情をしていた。
えっ…!
「…約束忘れておりませんか?!あの、日本舞踊家元のお孫さんのこと!私達に紹介してくれる話はどうなったのですか!宮内宮内言ってる場合ではありませんよ!」
「なっ…!」
それは、あんたが勝手に決めたことでしょう。
…だなんて、この舞絵の恐ろしい剣幕を前に言えるはずもなく。
「そ、それは…あはは」と、笑って誤魔化してみる。
「笑ってる場合ではありませんよ!愛の告白のひとつでもしたのですか!」
「………」
…まさか、告白の返事待ちだなんて知ったら、いろいろうるさいだろな。
あーしろこーしろ、へでもない、みたいな。