俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「舞絵が凌憲に告白するなら頑張ってみる」
「あーら。私は毎日凌憲にはお慕い申していることを伝えてますが?今の伶士同様、笑って誤魔化されてばかりいますけどね!」
「………」
後半、めっちゃ語気強めだった。
そんなことをにビビりながらも、舞絵に命じられて、バーカウンターへドリンクを取りに行く。
二人とも烏龍茶だけど。
しかし、両手にグラスを持ちながら舞絵のところに向かう途中、会場が徐々に暗転していく。
や、やば。もう始まる。
そう思うと急いでしまい、大勢の来客の中、人と人の間を擦り抜けるように進んで行く。
(……え?)
いろいろな人とすれ違う中、ふと飛び込んできたのは…またまた、知っている顔だったりする。
思わず足を止めて振り返ってしまった。
だが、すでにその後ろ姿は小さくなっており、ドアを開けてそのまま会場から出て行ってしまった。
今の人…。
《剣軌とは仲良しかな。医学部の5年生》
《この家に結界張りにきた》
スーツ姿で、爽やかな長身の男性。
その眼鏡が印象的で忘れていなかった。
…いつの日か、うちに結界を張りにきた。
『神の力』を持った人…?!