俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…ぬおぉぉっ!何で捕まえる!…きゃー!きゃーきゃー!皆さん、痴漢です!痴漢ですよー!助けてぇぇー!」
またそのパターンか!
今度は学校ではなく、パーティー会場。
騒がれるのはやばっ…と、思いきや、出た場所はトイレと従業員出入り口の傍で、人通りはほぼ無く、なずなの悲鳴は残念ながら誰にも届いていない。
…ほら、また日頃の行いが出たぞ!
しかし、騒がれようが痴漢扱いされようが、そこは離さない。
この女のことだ。
一筋縄じゃいかない。
絶対、離さない!
「何で逃げるんだ!おまえ逃げてばかりだな!」
「え?あー。…と、トイレ」
視線を逸らして、白々しい顔をしている。
もうわかるぞ。これは…嘘を付いている時の顔だ!
「トイレ?!嘘をつくな!目が泳いでるぞ!」
「…えぇい、うるさい!離せ!でないと漏れるだろ!…きゃー!漏れるー!漏れるー!…私がここで失禁してもいいのか!」
「失禁できるものならしてみろ!部屋に連れてって服全部脱がして後始末してやるわ!…逃がすか!」