俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「…ぬおぉぉっ!何で捕まえる!…きゃー!きゃーきゃー!皆さん、痴漢です!痴漢ですよー!助けてぇぇー!」



またそのパターンか!

今度は学校ではなく、パーティー会場。

騒がれるのはやばっ…と、思いきや、出た場所はトイレと従業員出入り口の傍で、人通りはほぼ無く、なずなの悲鳴は残念ながら誰にも届いていない。

…ほら、また日頃の行いが出たぞ!



しかし、騒がれようが痴漢扱いされようが、そこは離さない。

この女のことだ。

一筋縄じゃいかない。

絶対、離さない!



「何で逃げるんだ!おまえ逃げてばかりだな!」

「え?あー。…と、トイレ」

視線を逸らして、白々しい顔をしている。

もうわかるぞ。これは…嘘を付いている時の顔だ!

「トイレ?!嘘をつくな!目が泳いでるぞ!」

「…えぇい、うるさい!離せ!でないと漏れるだろ!…きゃー!漏れるー!漏れるー!…私がここで失禁してもいいのか!」

「失禁できるものならしてみろ!部屋に連れてって服全部脱がして後始末してやるわ!…逃がすか!」

< 151 / 528 >

この作品をシェア

pagetop