俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
それに、橘建設としてではなく、音宮陰陽事務所単品で参加してるとしてもだ。
代表の菩提さんと同伴してるわけでもなく、誰だか知らないが女友達と一緒とは!…あの女性は社員さんか?!
もさ男は一人でプラプラ歩いていたし。あの行動は、どう考えてもご来賓ではない。
それに、あの眼鏡の大学生…あれは社員じゃないだろ?
疑惑がいっぱい。ごっちゃごちゃ。
…それに、何より。
ここで、何かが起こってる。
もしくは…何かが、起こる。
そんな予感が頭から離れない。
これ、俺の勘!みたいな。…俺は主婦地検の女か?
そんな予感を頭にちらつかせながらも、目の前にいるなずなの手を離さず。
「うっ…」
一方、なずなはおもいっきり気まずそうな顔をしていた。
嘘がバレたからだろう。
…すぐバレる嘘をつくんじゃない!
そんななずなに畳み掛けるように、俺の予感をぶつけた。
「…ここで、何が起こってる?」
「は…」
一歩、詰め寄る。
上から見下ろすカタチになる距離まで詰め寄ると、なずなはそれを避けるように一歩後ろに退がった。