俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「大体何で心臓が爆発するんだ?!」
「…伶士?」
「もっとマシな理由………」
(………)
なずなの声ではない、背後からの第三者の声に責め立てる声を止めてしまった。
誰だ?…と、振り返ったが最期。
(…げっ!)
見られてしまっては、一番いけない人に見られたかもしれない。
「伶士…あなたは何をしているのですか?」
「ま、舞絵…!」
「レディ相手に、壁に追い詰めて責め立てるとは…!あなた、それでもジェントルマンですか!」
そこには、俺達の様子を目撃し、頬に手を当てて真っ青になっている、舞絵の姿が…!
む、無理もない。
今の状況、改めて確認すれば。
俺がなずなの両手を掴み上げ。
足壁ドンでなずなの自由を奪い、追い詰めている。
まさに、女性への乱暴、暴行への瞬間…に、見えなくもない!
舞絵、何でここにいる!何でここに来た!
レディとかジェントルマンとか、その言い回し吹き出しそうになるんですけど。
…だなんて、この舞絵の様子を前にそんな冗談言える状況でもない。
うっかり口にしたらとんでもないことになるぞ…!