俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
しれっとしている舞絵に、いくらかの憤りを感じる。
おまえのせいで、俺は獲物を逃したんだぞ…!
しかし、俺のそんな心情はモロに顔に出ていたのか。
「…しかしですね、伶士?」
「…何」
「何があったかは聞かないでおきますが…例え知り合いでしょうが、そこらの馬の骨女でしょうが、御婦人に対してあんなガツガツとした攻撃的な態度はよくありませんわ?」
「………」
「女性は皆、殿方には優しくされたいものなのですよ?」
「………」
おいおい。あの女を甘く見るなよ?
敵無しの強さを誇る、大魔王だぞ?
と、言いたいところだが…。
…でも、確かに。
ここ最近の態度を振り返る。
返事をよこせとタチの悪い借金取りのように、急かしたり。
ヤツの嫌がる秘蔵写真を送信しまくったり。
顔を合わせては、追いかけたり。
ムキになって、追い詰めて。
俺は、ガッツいてたかもしれない…。
正気に戻り冷静になると、それはとってもお恥ずかしい。
「御婦人には優しく接してくださいな。お願いしますよ?」
「………」