俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
そのまま潜り抜けて、萌葱鬼の背後に回る。
悪いが、『核』をしっかり壊すために、じっくり料理させてもらう。
…すべては、計算通り。
計算通りに、進んでいる。
本当は急行して先頭に立ち、仇であるあのクソヤローをボコボコにしてやりたいけど。
これは、自分の今後の利益を優先させた作戦。
それをわかっていながらも、仲間は了承し、指示通りの方向へと急行してくれる。
感謝しなければならない。
(…仲間って、いいよな)
一匹狼な性格だけど。
我が師匠を通して、味方、仲間の心強さを実感してきた。
信頼し合うって、強い武器になる。
一瞬口元を緩めながらも、暗闇に囚われた敵の背後を見据えて、印を結ぶ。
(…みんな、そっちは頼んだよ?)
あの忌むべき者を駆れ。
完膚なきまでに、追い詰めろ。
「…風神、召喚」