俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

残念な気持ちになってしまい、ずーんとしてしまう。

しかし、兄貴はご機嫌な様子でその続きを語る。


「カッコいいよな。俺もそんな風になってみたい…」


…ご機嫌な割には、ちょっと遠い目をしているけど。

まるで、何かを頭に過らせているような。

それにしても、兄貴に憧れとかあんの?

姫を護りながら悪を倒すヒーローになりたいの?

兄貴はもう十分カッコいい王子様でしょう。

…しかし、兄貴にとっては、見た目だけの問題ではないことを、もう少し後に知ることとなる。



「…いつ戻る?伶士がいいならパーティー終わるまでこのカフェにいていいんだよ?」

「や、それはさすがに母さんに怒られない?」

「いーよいーよ。母さんはきっと奥様友達とお喋りしてて俺達のことなんて忘れてるって」



そんな大したことない雑談をしながらも、ふと向こうの方角に目をやる。

すると、視界に知り合いの姿が飛び込んできて、注意を引かれる。

思わず前に乗り出してしまった。



(あれ…)



「…麗華さん?」

「えっ!ど、どこっ!」
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