俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
夜の闇の中、光に照らされてもわかる、その血色悪そうな顔と、細い体。
艶のある黒い翼をはためかせて、不気味な笑みをこっちに向けていた。
…黒い翼の彼。
リグ・ヴェーダ!
何故!…とも、聞くまでもない。
今回のなずなが関わっている一件は、この彼が絡んでいたんだ。
そして、なずなはこの彼に…!
「…わぁ。そんな怖い顔で睨まないでよ?僕たち、ここで出会えたのも実に運命的なものを感じるよ…」
「…え?」
不気味な薄ら笑いを浮かべる彼に、ますます嫌悪を感じる。
運命的?…どこが?
警戒してますます彼から目を離さず。
だが…。
(……ん?)
彼を見据えていると、その傍にあるものに注意を引き付けられる。
膨大な量の光を規則的に発している…街灯?
この屋上階の照明なのか、物々しくど真ん中にモニュメントのようにそびえ立つ。
てっぺんには、光を発している電球?…まるで宝石だ。サッカーボールぐらいの大きさ。
そして、輝き煌めいて発される光の色は、鮮やかな青緑で。
この深い夜空を照らすかのようだった。