俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
そう呟いて、柱を再び触り出す彼。
漏れる笑みが、またとなく不気味だった。
「…今宵、ようやく姿を現し動き始めた、この『礎の石』…これを壊して、再び『紫の門』を開くよ。…その前に」
チラリと振り向いて、今度はその視線を突き刺す。
またしても、麗華さんの方に。
「…ふざけたことを仕出かした、お嬢さんも一緒に壊してあげる。ね?」
「あ、あなたは…」
「…ん?」
「貴方は…三年前の件で、どれだけの人が傷付き、亡くなったかをご存知なのですか…?」
恐る恐ると口を開き出したのは、麗華さんだ。
胸元に握られた拳は、震えている。
三年前の件?…あの爆破事件のことか?
神妙に低く発された声は、問いかけに重みを持たせる。
しかし、彼は「はぁ?」と、軽く笑い飛ばした。
「…重傷1名、死者1名って話?」
そこでなぜ笑ったのか、理解不能だが。
しかし、彼のそんな態度に。
「………」
…麗華さんは、表情を強張らせている。