俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…亡くなったのは、我が社の大切な社員です。このホテル業に誇りを持って意欲的に取り組んで下さり、女手ひとつでお子様二人を育てて…」
「それが、何?」
「…それが、ですか?!」
彼の素っ気なく関心の無い態度に、麗華さんの眼力はますます強くなっていた。
大切な社員をそれが呼ばわりされて、静かな怒りは徐々に露わになっている。
聞いてる俺も、だいぶイラッとしてしまったが。
だけど、彼の顔からは笑みが消えない。
「…まあ、裏では死者もう1名?…陰陽師総本山の次期総帥を葬れたのは、多大なる利益だったよ?僕たちにとっては?」
死者もう1名…?
陰陽師総本山の次期総帥って…!
あの事件、そんな人も関わっていたのか?!
ただの爆破事件、テロの仕業じゃなかったのか?
いや、ある意味テロリストだろう、連中は。
そんな連中であるこの彼と…陰陽師が関わっていた事件だったなんて。
そりゃ、犯人も捕まらないはずだ。
…いや、陰陽師が関わってるだなんて。
じゃあ、なずなもこの事件…!