俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「…亡くなったのは、我が社の大切な社員です。このホテル業に誇りを持って意欲的に取り組んで下さり、女手ひとつでお子様二人を育てて…」

「それが、何?」

「…それが、ですか?!」



彼の素っ気なく関心の無い態度に、麗華さんの眼力はますます強くなっていた。

大切な社員をそれが呼ばわりされて、静かな怒りは徐々に露わになっている。

聞いてる俺も、だいぶイラッとしてしまったが。



だけど、彼の顔からは笑みが消えない。




「…まあ、裏では死者もう1名?…陰陽師総本山の次期総帥を葬れたのは、多大なる利益だったよ?僕たちにとっては?」



死者もう1名…?

陰陽師総本山の次期総帥って…!

あの事件、そんな人も関わっていたのか?!

ただの爆破事件、テロの仕業じゃなかったのか?

いや、ある意味テロリストだろう、連中は。



そんな連中であるこの彼と…陰陽師が関わっていた事件だったなんて。

そりゃ、犯人も捕まらないはずだ。

…いや、陰陽師が関わってるだなんて。

じゃあ、なずなもこの事件…!


< 227 / 528 >

この作品をシェア

pagetop