俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…っのやろっ」
傍で、舌打ちと共に呟いている。
苦痛表情の中、仲間に手を掛けたという憎しみが込められた視線を彼に向けるなずなが。
「…まあ、不運だったよね?お亡くなりになった従業員の方は?」
「は?」
「だって、僕たちがホテルの一室で『半人半魔』の契約をしているところに踏み込んできちゃったんだもん。うるさいだか何だかクレームが来ていて注意をしに来たみたいだけど?」
「は…」
「人間が踏み込んできたもんだから、契約相手の魔族がビックリしちゃって、ちょっと爆発を起こしちゃったんだ?その爆風に巻き込まれて死んでしまったんだよ。その従業員さん。タイミング悪いよね」
魔族がビックリして、爆発を起こした…?
その爆風に巻き込まれて死んだ…?
そんな痛々しい過去を、まるでなんてことない出来事のように淡々と語る、この男。
不運?タイミングが悪かった?
そんなんで済む話じゃ…。