俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
しかし、麗華さんの本気の怒りを、この男は。
「でも所詮は、たかが人間ひとり、でしょ?」
この男は…!
「…残念だったよね?あの場に踏み込んでしまったがばかりに。まあ、不運な事故だったと思ってよ?」
「な、何ですって…!」
ふざけたことばかり言って、正気の沙汰じゃないことは、わかっているが。
そこまで…まだ、嘲笑うのか?
「だって、世間は原因不明の事故だと思ってるんでしょ?あの規模の爆発で被害がそれだけで済んだことを良しとしなくちゃ」
「………」
「だから、反発してふざけた事をしたくなるんで………ぶほっ!」
しかし、彼が流暢に自己主張してる最中。
急に雪玉が飛んできて、彼の右頬にスパーン!と命中する。
あまりの勢いのスピードに、彼の体はガクンと揺れていた。
体幹弱っ…ではない!
予期せぬ奇襲に、こっちは驚かされる。
雪玉ぶち当たった瞬間の彼の顔、ものすご変な顔だった…!
「………」
もちろん、黒い翼のこの男も驚かされたのか、頬から落ちる雪の欠片を手に取ってじっと見ている。
そして、キッと睨み付けたその方向には。
あ…あぁぁっ!