俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「反発してふざけた事をしたくなる、って何なの」



いつの間にか、俺達のいる場所より少し離れたところにいて。

何故か、両手にはガチガチに固められた、野球ボールサイズの雪玉を持っている兄貴が、ムッとした様子で口を開いた。



っていうか、兄貴!

何やってんの?何やっちゃってんの?!

今、雪玉ぶつけたよね?

この、敵の親玉である黒い翼の彼に、雪玉ぶつけたよね?!

随分黙って話聞いてんなーって思ったら、雪玉作ってたの?!

大ボス登場、過去の衝撃発表という大場面にも関わらず、片隅で雪玉作っちゃってたの?!

…何やっちゃってんのっ!!



何も知らないって、本当に恐ろしい。



痛みに悶えて蹲りながらも、一連の光景を見ていたなずなも「は…」と、唖然としている。



「ふざけた事してんのは、お兄さんの方でしょ。何そのコスプレ。黒天使?それに三月の夜はまだ寒いのに白いタンクトップ一枚で外に出るとか、ボディビル芸人?コンセプトわからない」

「………」



…この男は!


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