俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
どんだけ好きなんでしょうか。
「…そして、力の無い者は力のある者に力を貰い、それを肥やしにして力を付けて、強くなっていく。そして、また力の無い者に力を与える…そんな良いループを作って、全人類手を取り合っていくんだ。わかる?」
「…言いたいことは、それだけ?」
「いや、まだある」
「………」
まだ、あるんかい。
兄貴、話長い。と、ガクッとくるが。
こんなに淡々と飄々としながら主張を続け、余裕が全然あるようだが。
コミュ力おばけの兄貴が、相手を構わずこれだけ一方的に主張を続けるなんて。
兄貴も、相当頭にきたらしい。
そして、結論。
「…そういうわけで。力が無い者を見下して威張り腐ってる君は、力が無いのと一緒」
「………」
「その上、殺しを正当化して弱い者イジメして喜んでる君たちの方が愚か。ゴミ、クズ。以上」
開いた口が、塞がらない。
兄貴、敵の親玉相手をゴミクズ呼ばわりしてしまった…。
いったい、何の時間だったんだ。
もちろん、彼もそこまで言われて黙っているわけがない。