俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…はあっ!……はあぁぁぁっ!」
すると、なずなの呼吸が、尋常じゃなく引き攣っていた。
更に深く屈んで、激しくゲホゲホと咳き込んでいる。
まるで、喘息の発作のように。
「…なずな?!なずな!」
なずなが呼吸を荒くして、苦しみ出した?
さっきより顔色も悪いことに気付くと、ますます焦り出してしまう。
「…あれ?結界陣出せるなんて。少しばかりか不動縛解いたの?」
黒い羽根が、まだ騒がしく風に舞っている中。
黒い翼の彼は不気味な笑みを浮かべて、その場から俺たちを見下ろしていた。
「…でも、相当無理してるんじゃない?僕の『夢魔』はそう簡単に解けないよ?」
その笑みが、ドヤ顔に見えるのは気のせいだろうか。
どっちにしても、ずっと薄ら笑いをしてばっかりで、いい加減腹が立ってくる。
…しかし、次の一言で、一気に真っ青にさせられるのだった。
「僕の魔毒『夢魔』は、強めの不動縛プラス被毒だからね?」
「ど、毒…?」
「あはは。術でその翼に毒を仕込んであるんだ?」