俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
そう言って、まだ笑う。
「…術のひとつでも出して、僕を殺してごらん?大切な主を取り返してごらん?…その瞬間に、君はズタズタになるだろうけどね?」
なずなの苦しむ姿を見て、まだ小馬鹿に笑い続けるか。
(このっ…!)
もう、俺は腹が立って仕方がない。
やめろ。なずなを苦しめるな。
バカヤロー。何で俺が捕まってんだ。
ふざけんな。何でそんなに笑ってんだ。
こんなに腸煮えくり返ってるのに。
俺は手を伸ばすことすら、出来ない。
…す巻きになってる場合じゃねえんだよ!俺、何やってんの!
(…なずなっ!)
「…ふざけた、こと、してくれんなよ…?」
なずなは、そう呟き、手をガクガク震わせながらも起き上がろうとする。
…え?起きる?
だ、ダメだ!もしヤツの言う通りなら、ただでは済まない!
頼む、起きるな!
今のボロボロの状態でも見ていられないのに、これ以上…!
俺が捕まってしまったばかりに!
頼むから…起きないでくれ!
「…なずちゃあぁぁんっ!起きちゃだめー!」