俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
駆け寄るなり、なずなに質問し返された彼女はキョトンとしている。
そして、周りをキョロキョロと見回し始めた。
何か、探してる…?
そして、兄貴と麗華さんの方を見た。
「ライチくん、夏輝どこですか?」
すると、兄貴も「えー」とキョトンとしている。
「姫一人だったよー。誰も来てない」
「…ええぇぇぇっ!わわわわ!」
兄貴の返答にビックリしてあたふたし始めた。
一人でやんややんやとお祭り状態。
さっき乗り込んできた時の勢いはどこへ行った。
そして…。
「な、なずちゃんすみません。夏輝を置いてきちゃったみたいです、あわわわ…」
「…だろうね」
なずなは苦笑いをして、ガクッと項垂れる。
向こうで麗華さんの「夏輝様を置いてくるとは何事ですか!神田!」と、ご立腹の声が聞こえた。
怒られた彼女は「やややや、すみませんっっ!」と、ますますあたふたしていた。
何、この人…。
しかし、そう思ったのは俺だけではないようだ。
「…何なんだ、おまえ…」