俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

駆け寄るなり、なずなに質問し返された彼女はキョトンとしている。

そして、周りをキョロキョロと見回し始めた。

何か、探してる…?



そして、兄貴と麗華さんの方を見た。



「ライチくん、夏輝どこですか?」



すると、兄貴も「えー」とキョトンとしている。



「姫一人だったよー。誰も来てない」

「…ええぇぇぇっ!わわわわ!」



兄貴の返答にビックリしてあたふたし始めた。

一人でやんややんやとお祭り状態。

さっき乗り込んできた時の勢いはどこへ行った。



そして…。



「な、なずちゃんすみません。夏輝を置いてきちゃったみたいです、あわわわ…」

「…だろうね」

なずなは苦笑いをして、ガクッと項垂れる。

向こうで麗華さんの「夏輝様を置いてくるとは何事ですか!神田!」と、ご立腹の声が聞こえた。

怒られた彼女は「やややや、すみませんっっ!」と、ますますあたふたしていた。

何、この人…。



しかし、そう思ったのは俺だけではないようだ。



「…何なんだ、おまえ…」


< 257 / 528 >

この作品をシェア

pagetop