俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

怒りを向けられてビビった彼女は、傍にいるなずなに助けを求めている。

なずなは「知らんがな!」と突っ込んでいたが、補足のようにボソッと呟く。

「まあ…ヤツの心酔していたナーガ・ヴェーダを桃李ちゃんが『相殺』したからでしょ」

「…ややっ。そうでした。いやいや、私じゃなくて『持国天』さんなんだけど…」

「…でも、ヤツは仇だと思ってるよ?桃李ちゃんを」

「…ひいぃぃっ!」

実に汚い悲鳴をあげるな。美人なのに本当に残念だ。



しかし、この非っ常に残念な彼女が、黒い翼の彼にとっては仇?

個人的な恨み、みたいな間柄か。



先程とは一転、恨み辛みの憎しみ丸出しの表情を見せる、黒い翼の彼。

怒りのオーラを振り撒きながら、彼女に問い掛ける。



「…よくも、ナーガを…『相殺』は我々半人半魔にとっては、魔力を取り上げてタダの人間に戻す術じゃなかったのか…?」

「そ、それは…」

「なのに、ナーガは塵一つ残らなかった!…殺したのか!」

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