俺のボディガードは陰陽師。～第四幕・夜に抗う～

「やややや、それは違いますっ！…ナーガさんの場合は、脳以外の体の部分を全て、契約で魔族に引き渡していっぱい魔力を得ていたから、結果…消え去るしかなかったんです。…と、いうか、持国天さんがやったことなので、私あんま覚えてませ…」

「…何だと！」

「ひいぃぃっ！」

恫喝される度にこの上なく震え上がってんな、この人。

あんな啖呵切って乗り込んできたけど、実はビビりか。



だが、そんなビビりな彼女の傍にいるなずなは、小声で彼女を呼んで、こっそり注意を引く。



「…桃李ちゃん、桃李ちゃん！」

「はっ！なずちゃん！大丈夫？！…はっ！これ、不動縛っ…」

「…しっ！…だ、大丈夫だよ。…それより、お願いあるからよく聞いて」

「うん、うん」


そして、二人でコソコソと話し始めた。

一緒に傍にいた俺も、それとなく聞き入ってみる。



「…桃李ちゃんには、時間を稼いでほしいんだ」

「じ、じかん…」

「…この不動縛、解くのに時間かかるんだ。解けないと私は戦えない。それに、夏輝くんたちももうじき到着するだろうから、それまで今の『結盾』張って時間を稼いでほしい」