俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「は、はい…でも、なずちゃん、『結盾』だけでいいの?」

「防戦一方でいいんだ。あと『持国天』は絶対呼んじゃダメ」

「は、え、う、うん。わかった」



何の話なのか聞いてるだけでは意味不明だが、恐らく戦術の話だろう。

彼女はウンウンとずっと頷いている。

しかし、その頷き方が何故か高速で、まるでからくり人形みたいだ。

ぴょこぴょこと音がしそう。

いつまで頷いてんの?

この人、ネタなの?



だが、コソコソ話も長くは続けてられない。



「…僕を殺す作戦でも立てているのか?!…こざかしい!何ならおまえが持国天呼んでタイマンしたっていいんだよ?!」

「…ひいぃぃっ!」

黒い翼の彼が苛立ちを見せて声を張り上げると、残念な彼女は真っ先に反応して汚い悲鳴をあげる。

しかしタイマン、その言葉何か痛々しいな。しかも女相手に。

厨二病と言われても仕方がない。



「…桃李ちゃん、頼んだ」

「う、うん!」



そう返事して、彼女は勢いよく駆け出して前に出る。

そして、膝を曲げて「ふうぅぅぅ…」と、踏ん張ってる?

スーパーサイヤ人にでもなるのか?

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