俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
対する黒い翼の彼は、何かを仕掛けられると察したのか、一歩後退して翼を動かして宙に舞う。
上から角度をつけてから、先程同様右手を振り上げた。
「…『黒嵐』!」
彼の声に反応して、地に落ちていた黒い羽根が巻き起こった風に乗る。
再び、帯状となってこっちに高波のように勢い良く向かってきた。
彼女はそれを迎え撃つ。
「ふんぬぬぬっ!…光流、『結盾』!特大いぃぃっ!」
すると、彼女の全身という全身から、カッと鋭い光が放たれる。
眩しくて視界が奪われそうになるが、その光に包まれた彼女が「ふんっ!」と両手を天に掲げていた。
ドン!と空気砲を発したような音が響く。
ようやく視界が開けた向こうには、再び光の壁が聳えていた。
さっき以上の特大の大きさで、この屋上を分断するぐらいのサイズだ。
自分の身だけではなく、後ろにいるなずなや俺、更に後ろにいる兄貴たちをもまとめて護れる程。
黒い羽根の帯は、それに簡単に弾き返されていた。
「…霊気量は人並以上?…面白い」