俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「皆・陣・列…」
「…去ね!死ね!…うおぉぉぉっ!」
「…在・前」
「うおぉぉぉぉっ!」
ジリジリと経過していた力比べだったが、互いに激情を抱えて踏み込むと、あっという間に戦局が変わる。
凝縮されていた圧が、一気にドーン!と弾けるような音が響いた。
凄まじい反動で、弾かれて双方後ろに吹っ飛んでしまう。
地が揺れるだけではなく、空気にも振動がビリビリと伝わってくるような気がする。
「桃李ちゃん!」
「ううぅぅ…いたたた…」
今の爆風で、ゴロゴロと地に転がった彼女。
痛みが強いのか、起き上がれないでいる。
だが…。
「はぁっ、はぁっ…よくもごちゃごちゃ小賢しい真似してくれたな…?」
呼吸が荒く整わないままで、ダメージも大きいようだが。
彼はヨロヨロと立ち上がっている。
「む、むむむ、うぅぅ…」
俺の横でブッ倒れている彼女。
大丈夫か…と、声を掛けて手を伸ばそうとしたが、彼女は急にムクッと起き上がり、思わずビクッとしてしまった。
ビックリした、急に!