俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…けど哲太くん、よく場所がわかったね?桃李ちゃんに置いてかれたんでしょ?」
なずなの問いに、彼は涼しい顔で「ははっ」と笑う。
「夏輝の友達が教えてくれて、ここの場所はわかってたんだ。タイムロスはほぼ桃李捜索」
そう言って、彼は後ろを振り返る。
「ありがとう」と告げた相手は、屋上の出入り口からひょっこり顔を出していた…兄貴だった。
兄貴は「なんもなんも!」と、手を振った後、サッと中へと身を隠している。
恐らく、麗華さんも一緒だ。
って、兄貴が?
兄貴が、ここが戦場になっていることを、彼らに伝えたってこと?
いつの間に…!
「桃李、マイナス30点」
「…ええぇっ!て、哲太くん!」
「30点どころじゃねえ!持ち点ゼロだ!」
貴方達、持ち点制度あるんですか?
持ち点減点でやんややんやと騒いでいた、後から現れた二人と、残念キョドり系彼女だが。
ふと、眼鏡の彼が目の前を見上げる。
「…そろそろ崩れる」