俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「はい。優さんの愛娘ですし。それに、メアリさんが他に男作ってフィリピンに帰っちゃったもので。寂しい思いをさせないよう、橘社長はなずなを気にかけていましたよ。常に」
「………」
母親、男作って出ていったのか…。
しかし、親父がなずなと食事?
そんな時から親父はなずなを気にかけていたのか。
当時は全然知る由もなかったな…。
「…しかし、その当時。前にも話したその『半人半魔』の件が横行している時期だった」
半人半魔…。
そのワードを耳にして、思わず息を飲む。
元々人間だった、魔族。
正確に言えば、半分人間で半分魔族。
魔族と取り引きを行って、魔族同等の力を手に入れた者。
人間側は自分の体の一部を差し出して、代わりに魔族から力…魔族の心臓ともいえる『核』の一部をもらう。
そうすると、魔力を使える人間ベースの魔族が出来上がる。
…と、いう、お話。
「この魔族との取り引きって、必ずしも成功するわけじゃないんだ」
「え…成功、失敗あるんですか?」