俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
しかし、新たなる敵の出現を前に、川越さんは驚く訳でもなく。
何故か、ニヤリと笑う。
「…ここまでプラスアルファがあると、ボスも大喜びだね」
そう言って、川越さんは顔の傍で軽く拳を握る。
その拳からは、金色の帯のような光が指の隙間から溢れ出ていた。
…まさか、そこでもドンパチするのか?
川越さんと新たなる敵(あやめさん)が睨みを飛ばして相対する様子を見て、緊張感を覚える。
息を呑んでその様子を見守るが。
「…解けた」
(…はっ!)
「Knight,move on…」
足元の気配を感じて、ハッとする。
しかし、気付いた時にはすでに遅く。
「…Kinnara,sowaka!」
白いピアスの光と共に、俺の目の前を俊敏なスピードで横切っていく。
先程まで、ダメージを受けて俺の足元で蹲っていたその背中は。
もうすでに、川越さんと新たなる敵の方へと向かっていった。
…大丈夫なのか?!
(…なずな!)