俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
部屋を覆い尽くす、一面に広がる悪趣味な黒い羽根たちを見つめ。
昔のことをも思い出しながら、許すことの出来ない、その思いを口にする。
「…私とて、あの時のことを忘れたわけではありませんのよ…?」
それは、とても。
苦くて、鋭く痛い。
「…あの時のことは決して忘れることはなりません。そんな思いを込めて、再びこのホテルを建立致しました」
「存じてます」
「『魔力』とは。私達一般人には抗えない脅威…でも、それで納得できますか?」
鋭く痛い思いを抱えて。
自分にしか出来ない事は、何か。
辿り着いた決断が、これだった。