俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
上空から、低く落とされた声がした。
見上げると、黒い翼の彼だ。
薄暗さで、姿は闇に飲まれ掛けていてわかりにくいが。
「…何故、『紫の門』が開かない…!」
暗闇で表情が見えず、声だけだからか、少しばかりか彼の狼狽える様子がわかる。
…え?何か起こる予定だったの?
辺りを再び見回してみるが。
何の変わりもなく、ただ夜空の暗闇が続いているだけだった。
「…そうだよ?開かない」
彼の疑問に答える声がした。
すると、暗闇に包まれていた辺り一体が急に明るくなる。
屋上の端に備えられていた電灯が一斉に点灯したのだった。
パワーストーンがあった時以上に周辺が明るくなり、人の姿や物の位置が確認できる。