俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
二人にそう声を掛けて、堤防の上にある自分の車を指差し、移動。
ザクザクと三人の長靴の足音だけが響いていた。
「拓狼さん、足元気を付けてね。おじさんなんだから」
「おじさんとは何ですか。ああぁぁ、でも気を付けます。40になると本当に足元弱くなりますから」
車に乗り込むと、直ぐ様エンジンをかけ暖を取る。
少し落ち着いた後、戦闘終了の報告をボスに。
「…あ、あぁ剣軌くん。こっちは終わりましたよ。…えぇ、剣軌くんの予想通りです。東雁来のポイントに色鬼魔族が三体現れました。……えぇ、封印を壊しに来たようですが。結界も封印も無傷で死守致しました。…うーんと、悠介が一体、真凛ちゃんが二体…え?僕ですか?若者には勝てませんよー」
ここは、かつて『紫の門』があったポイントのひとつ。
オガサワラリゾートのホテル同様、封印と結界を施して容易にその姿を現さないように管理しているが。
《このパーティーの裏で、ここが狙われるんじゃないか?》
そう予測したのは、今回のミッションのボスである菩提剣軌だった。