俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「一体?真凛の二体には敵わないっしょ?」

後ろの可愛らしいお嬢さんは、なぜかドヤ顔だ。

しかし、可愛らしいと侮るなかれ。

実はこのお嬢さん、神童のメンバーの中でも霊力の強さは一二を争うほど凄まじい。

水を司る竜族を守護神に持っている。

水のある川っぷちで一戦交え、数を相手出来る霊力の量から、彼女がこの外回りメンバーに選ばれた。

これも、ボスの指示。



(…本当、敵いませんね?)



彼のことを思い浮かべては、ひと息ついてしまう。



始まりは、昨年から。

ホテルの起工式で、地中にパワーストーンを埋めるという、大胆な手口に出た。

地脈云々の問題から、『紫の門』争奪である本日のこの一戦を見据えたかのように。

そして、宣戦布告を受け、更なる大胆なお出迎えを考えた。



(リグ・ヴェーダ、今頃怒ってるでしょうね…)



大胆なお出迎え、とは。

地中のパワーストーンの存在を隠し、偽物のパワーストーンを奉る。


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