俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
それを敢えて目に付くような場所に設置し、あたかも大切にしているかのように丁重に結界を張り、警護する…フリをする。
敵の目をそちらに向け、地中のパワーストーンが地脈を張り巡らせるまで時間を稼ぐ。
と、いう騙し打ち作戦。
…そう。
ホテルの屋上にあるパワーストーンは、真っ赤なニセモノ。
本物のパワーストーンは地中にあり。
その上にホテルが建ってしまってるため、ホテル全壊でもしないと取り出せない。
しかも、日没から起動し始め、数時間経過した現在、すでに軌道に乗り、辺り全体に地脈を張り巡らしているだろう。
これを悟られないために、敢えて本日起動させたのだ。
あたかも、ニセモノが力を放っているかのように。
時計はもう9時を指す。
すでに、パワーストーンは起動の波に乗った。
これでもう大丈夫だろう。
すべては計算通り。
ボスの思惑通りに進んでいるのだった。
…そして、今回のミッションは。
パワーストーン、小笠原のお嬢様を警護するだけが目的じゃない。