俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
それは、今後の戦局を左右する、重要な目的。
(…まさか、自分の命ではなく、自分のお仲間が狙いだとは、さすがのリグ・ヴェーダも思わないだろうに)
この作戦の種明かしを耳にして、彼はどんなリアクションをするのか。
想像すると、年甲斐もなくドキドキワクワクしてしまう。
笑いを堪えるのに必死だ。
「…室長、なんか楽しそうですね」
「いひひ。…やめなさい、おじさん相手に」
ついつい顔に出てしまった…と、苦笑いするしかない。
それに連想するかのように、この作戦の発案者の顔をも思い浮かべる。
この作戦の概要を聞かされ、協力を要請された時はたまげた。
まさか、裏の裏の裏をかくとは。
裏の裏は表、だが、その裏をもかき、ここまで相手の行動パターンを考察して対応するとは。
齢25でこれほどの策を考案するとは、末恐ろしい。
さすが、陰陽師総本山の史上に残るほどのエリートだ。
上層部からの総本山に残ってほしいという要望を蹴ってまで、心酔する師匠のもとへと戻ってきた。
そんな師匠を傷つけたリグ・ヴェーダを何としても許せないのだろう。